どうも、春眠亭あくびっす。
中年にぶっささりまくるラブコメ、爆誕。
amazonのランキングをながめてて、たまたま見つけた最高過ぎた。
「瓜を破る(うりをわる)」著:板倉梓(いたくらあずさ)
「ふつうの会社員、まい子は一度も性体験がなく処女であることがコンプレックス。性体験に興味を持った彼女は…!?」
週刊漫画TIMES https://shukanmanga.jp/work_list/detail/uri-wo-waru/
はいはい、よくあるよくある。WEB広告にうってつけのやつ。ちょっとエッチなシーンがあるからその部分を過剰に煽って購入を促すコミックシー○ア系のやつでしょ?
そう思いながらもスケベ心には敵わず、1巻はkindleunlimitedの対象だったのもあって、読んでみたわけ。ボクは大金持ちなので、kindleunlimitedに加入しているからね。
ぐへぇぇぇぇぇぇえええええ!!!! ぶっささりまくるぅぅぅぅぅうううう!!!!!
もうどハマりもどハマり。疲れたときの薬代わりだとおもって飲んでみてと言われて渡された白い粉を1回舐めただけなのに、その後はもう逃れられないカルマ。まさにそんな感じ。いやたとえが悪いんだけど、とにかく最高。
いままでろくに恋愛してこなかった30代たちによる、究極のこじらせ合戦。こじらせにこじらせた不器用な恋愛模様。これはまさに「中年ラブコメ」と言える新ジャンルの爆誕なのであります。
と、これを読んだ敬虔(けいけん)なるビッグコミックス読者の皆様は「え、それって黄昏流星群なのでは? 中高年のリアルな恋愛模様が描かれているではないか!」とお考えかと思います。この際はっきり言いましょう。黄昏流星群はラブコメではない。お正月回で50代のおじさんが自分の母親とセックスをしたあと話の流れ全く関係なく最後のオチに鏡餅のコマを持ってくる特殊すぎるマンガはラブコメとは言えない。あれはもう黄昏流星群という新ジャンルなの。一般的なラブコメという枠にはめちゃいけないの。
で、「瓜を破る」。今までのラブコメの主人公は大体が学生だったわけ。少年マンガか少女マンガが主戦場だったわけ。告白して手をつないでキスするまでがゴールだったわけ。で、肝心のセックスはというと、これはエロマンガへと戦場が移るのね? すでに付き合っているカップルか猛烈な痴女が、導入もそこそこにセックスを開始するわけなのね?
「瓜を破る」という中年ラブコメは、この少年マンガとエロマンガの間を表現してくれた画期的な作品なのよ。わかる? これはもう発明とすら言える。すげぇよ。多くのマンガの恋愛はいつも学生の前提で描かれる。いやオレらもう学生じゃなくね?? 学食でパン買ってるときに出会いなくね?? 読んでる時、ずっとトータルテンボスの藤田さんが心の中でツッコんでるわけ。
それを「瓜を破る」は解決してくれた。社会人の不器用な恋愛を、ラブコメという形でしっかり描いてくれた。
些細なことから知り合った「まい子」と「鍵谷」は、お互い恋愛経験が少なく、お互いのことを気遣いながら、だからこそ少しずつ、本当に少しずつ、関係性を築いていく。じつに6巻かけて、ようやくセックスまでいたるこの丁寧な描写。
まさにまさに中年ラブコメと言える一品。心の中の藤田は一切出てこない。これは本当にすごいこと。
板倉梓(いたくらあずさ)先生は天才。羽毛布団送りたい。体調に気をつけていつまでも連載してほしい。
さて、ここまで読んでまだ「瓜を破る」を買ってないあなたに向けて追い打ちをしようと思う。
この作品、なんと複数キャラのオムニバス形式っす。「まい子」と「鍵谷」の物語は、あくまでいくつかあるストーリーのワンオブゼム。これと同じくらい濃いラブコメがまだまだ展開されていくのよ。
仕事一筋バリキャリ女の恋愛、寿退社したけど家庭に不満がある女の恋愛、母親としての自分に違和感を持つワーママの恋愛。ファッションセンターしまむらの福袋かよってくらいチョイスのリアリティがすごい。
そしてボクの一押しが、自分の容姿に自信がない小柄貧乳刈り上げピアス三白眼クラブ系女子の小平蓮(レン)ちゃん。
性癖にぶっささりすぎて貫通してるんだけど。
なんでこんな子をこの世に生み出せる? 板倉先生は神なのか? レンちゃんはこのあと先生(神)の力によって自己肯定感が爆上げされて、かわいいかわいい言われながら照れセックスするシーンが描かれていくでしょう。絶対に。これはもう確定演出なので変えることはできないでしょう。お願いします。本当に。板倉先生、お願いしますね。